韓国語の「だから」はクレソとクロニカ!接続語尾「〜だから」の言い方は?
韓国語で「だから」は「クレソ(그래서)」と言います。
同じく「だから」を意味するもう一つの接続詞が「クロニカ(그러니까)」です。
どちらも「だから」という意味の接続詞ですが、微妙にニュアンスと使い方の違いがあります。
また「だから」には接続詞以外に「〜だから」という接続語尾として使う場合もありますよね。
この「〜だから」のハングルは「서(ソ)」と「니까(ニカ)」。
「あれ?」と思った方。その通り。
「〜だから」は「クレソ(그래서)」の「ソ(서)」と「クロニカ(그러니까)」の「ニカ(니까)」なんです。
作り方のルールは少し違う点もありますが、使い方はほぼ同じ。セットで覚えてしまえば、習得が早まります。
今回は、韓国語の接続詞および接続語尾としての「だから」について分かりやすくお伝えします!
「だから」を習得する事で、どんどん文章を繋げて会話を続けられるようになりますよ!
文頭で使う接続詞の「だから」の韓国語
まず、前の文と後の文をつなぐ役割をする接続詞としての「だから〜」を意味するハングルを2つご紹介します。
「그래」+「서」の「그래서」
接続詞「그래서(クレソ)」は「そうだ」という意味の「그래(クレ)」と「〜から(理由)」の「서(ソ)」が1つになって出来た単語です。
直訳すると「そうだから〜」で「だから、それで」という意味の接続詞になります。
「그래(クレ)」の原形は「그렇다(そうだ)」という形容詞で、「그렇다(クロッタ)」から派生した単語がたくさんあります。
「그렇다」+「니까」の「그러니까」
実はもう一つの「だから」の接続詞「그러니까(クロニカ)」も「그렇다(そうだ)」から派生した単語。
「그렇다(そうだ)」と「〜から(理由)」の「니까(ニカ)」が1つになって「그러니까(そうだから)」という意味の単語になります。
「그래서」と「그러니까」の違いと使い分け
同じ「だから」を意味する「그래서(クレソ)」と「그러니까(クロニカ)」ですが、ニュアンスと使い方の違いがあります。
主な相違点は以下の3点。
「그래서(クレソ)」 | 「그러니까(クロニカ)」 |
---|---|
後の文に命令文・勧誘文・依頼文は使えない | 後の文に命令文・勧誘文・依頼文も使える |
単に事実だけを述べる | 意思や意見が含まれている |
前の文(理由・原因)が客観的である | 前の文(理由・原因)が主観的である |
この3点はそれぞれ関連性があることがわかります。命令・勧誘・依頼にはその人の主観や意思が含まれていますよね。
言葉だけではなかなかイメージしにくいと思いますので、実際の例文を見てみましょう。
그래서(クレソ)を使った文
아침에 갑자기 두통이 왔다.그래서 시험을 못 봤다. (アッチメ カプチャギ ドゥトンイ ワッタ.クレソ シホムル モッパッタ)
朝突然頭痛がした。だから試験を受けられなかった。 |
「頭痛がしたから試験を受けられなかった」というのは単に原因と結果の事実を述べているだけですね。
それに対して以下の3つの例文は「〜だからこうしよう、こうしてください」という意思を含んだ依頼、勧誘になります。
그러니까(クロニカ)を使った文
태풍이 온다고요.그러니까 일짹 집에 가자. (テップンイ オンダゴヨ.クロニカ イルチク チベ カヂャ)
台風が来るらしい。だから早めに帰ろう。 |
이대로는 문제를 해결할수 없어요.그러니까 방볍을 바꿔 주세요. (イデロヌン ムンヂェルル ヘギョラルス オプソヨ.クロニカ パンボブル パックォ ヂュセヨ)
このままでは問題は解決しません。だから方法を変えてください |
오늘은 내키지 않는다.그러니까 내일 가기로 한다. (オヌルン ネキヂ アンヌンダ.クロニカ ネイル カギロ ハンダ)
今日は気乗りがしない。だから行くのは明日にする |
韓国語で会話する時に「그래서(クレソ)」と「그러니까(クロニカ)」のどっちを使っていいか分からない時は、後の文脈に命令・勧誘、依頼文が来る時は「그러니까(クロニカ)」を使うと覚えておきましょう。
接続語尾「〜だから」の韓国語
「〜だから」という接続語尾は名詞・動詞・形容詞について使われます。
冒頭でもご紹介した通り「〜だから」という意味を持つ単語は以下の2つ。
-
- 「〜서(ソ)」
- 「〜니까(ニカ)」
「그래서(クレソ)」と「그러니까(クロニカ)」に使われてる「〜から(理由)」を意味する2つですね。
「서(ソ)」と「니까(ニカ)」は動詞・形容詞につく場合と、名詞につく場合の作り方のルールがそれぞれあります。
またそれぞれの使い分けのポイントも一緒に見ていきましょう。
「〜だから」の「〜서」の作り方
「〜だから」の接続語尾「서(ソ)」は形容詞・動詞の後につく場合と、名詞の後につく場合で作り方のルールが異なります。
動詞と形容詞の後につく場合
動詞と形容詞に「서(ソ)」をつけて「〜だから」という形を作る場合は、以下の手順で作ります。
- 動詞と形容詞のヘヨ体を作る。
- ヘヨ体の「요(ヨ)」を「서(ソ)」に代える
ヘヨ体とは「〜です、ます」をつけた丁寧な文末表現の事。
韓国語の動詞と形容詞の基本形は「〜다(〜だ、〜する)」で、ヘヨ体にするには文末に「요(ヨ)」を付けます。
ヘヨ体の作り方にはいくつかルールがあり、単語ごとに少しずつ異なります。
ヘヨ体の作り方については以下の記事でご覧いただけます。
話は「서(ソ)」の付け方に戻ります。
例えば「먹다(食べる)」という動詞に「서(ソ)」をつける場合、「먹다(モクタ)」のヘヨ体「먹어요(モゴヨ)」の「요(ヨ)」を「서(ソ)」に代えて「먹어서(食べたから)」となります。
その他の形容詞、動詞の場合も同じです。
名詞の後につく場合
名詞に「서(ソ)」を付ける場合は動詞、形容詞とは違って形を変化させる必要はありません。
その代わり「서(ソ)」の形を変える必要があります。ルールは以下の通りです。
名詞の最後にパッチムがない場合・・・名詞+라서(ラソ)
名詞の最後にパッチムがある場合・・・名詞+이라서(イラソ)
「서(ソ)」の前に「(이)라」がつきます。
パッチムとは、ハングル文字の「子音+母音+子音」の組み合わせで出来た文字の最後に来る「子音(終声)」の事を指します。
ex.パッチムを持つ文字
以下の記事でパッチムについて詳しく解説しています。
例えば「주부(主婦)」は最後の文字にパッチムがないので
「주부라사(主婦だから)」 となり、
「회사원(会社員)」は最後の文字にパッチムがあるので
「회사원이라서(会社員だから)」 となります。
「〜だから」の「〜니까」の作り方
「니까(ニカ)」も「서(ソ)」の時と同じく、形容詞・動詞の後につくのか名詞の後につくのかで作り方のルールが違います。
動詞と形容詞の後につく場合
動詞と形容詞に「니까(ニカ)」をつける場合は以下のルールに従います。
動詞・形容詞の語幹 + (으)니까
語幹とは単語が活用変化する時に変化しない部分の事です。例えば日本語の「飲む」という単語の場合、「飲みます」「飲まない」など変わらない「飲」の部分が語幹になります。
韓国語の動詞と形容詞の基本形は「〜다(〜だ、〜する)」で、語幹は「〜」の部分になります。
語幹の最後の文字にパッチムがある場合、「니까(ニカ)」の前に「 으(ウ)」がつきます。
語幹にパッチムがない場合・・・語幹 + 니까(ニカ)
語幹にパッチムがある場合・・・語幹 +으니까(ウニカ)
それぞれの例を見てみましょう。
「사랑하다(愛する)」の語幹は「사랑하」でパッチムがないので、
「사랑하니까(愛してるから)」 になります。
一方、「좋다(良い)」という形容詞の語幹は「좋」でパッチムがあるので、
「좋으니까(良いから)」 になります。
名詞の後につく場合
名詞に「니까(ニカ)」をつける場合は以下のルールに従います。
名詞に 「니까(ニカ)」を付ける場合は、名詞の最後の文字のパッチムの有無によって形が変わります。
語幹にパッチムがある場合・・・語幹 +이니까(イニカ)
「배우(俳優)」は最後の文字にパッチムがないので
「배우니까(俳優だから)」、
「연예인(芸能人)」はパッチムがあるので
「연예인이니까(芸能人だから)」となります。
「〜서」と「〜니까」の使い分けのポイント
それぞれの作り方のルールは分かったけど、「どうやって使い分けるの?」「何か違いがあるの?」というのが次に浮かぶ疑問ですよね。
韓国語で「〜だから」と使う時の「〜서(ソ)」と「〜니까(ニカ)」の違いと使い分けのポイントを押さえておきましょう。
「〜서(ソ)」と「〜니까(ニカ)」の違いと使い分けのポイントは以下の4つです。
- 文法的な違い(過去形にするかしないか)
- 後の文が命令文・勧誘文・依頼文かどうか
- 後の文が意思や意見を含むかどうか
- 前の文(理由・原因)が主観的なものかどうか
一番目の文法的な違いを除いて、使い分けのポイントとしては実は「그래서(クレソ)」と「그러니까(クロニカ)」の時と同じになります。
「서(ソ)」 | 「니까(ニカ)」 |
---|---|
後の文に命令文・勧誘文・依頼文は使えない | 後の文に命令文・勧誘文・依頼文も使える |
単に事実だけを述べる | 意思や意見が含まれている |
前の文(理由・原因)が客観的である | 前の文(理由・原因)が主観的である |
単に事実だけを述べる例文(「서(ソ)」を使う)
아침에 갑자기 두통이 와서 시험을 못 봤다. (アッチメ カプチャギ ドゥトンイ ワソ シホムル モッパッタ)
朝突然頭痛がして試験を受けられなかった。 |
後の文に勧誘文が入る例文(「니까(ニカ)を使う」)
태풍이 온다고 하니까 일짹 집에 가자. (テップンイ オンダゴハニカ イルチク チベ カヂャ)
台風が来るらしいから早めに帰ろう |
後の文に命令・依頼文が入る例文(「니까(ニカ)を使う」)
이대로는 문제를 해결할수 없으니까 방볍을 바꿔 주세요. (イデロヌン ムンヂェルル ヘギョラルス オプソヨ.クロニカ パンボブル パックォ ヂュセヨ)
このままでは問題は解決しないから方法を変えてください |
「〜서(ソ)」は「〜だから」という意味ですが、日本語に訳す時は「〜して」と訳したほうが自然な場合が多いです。
最後に、文法的な違いについてだけ説明しておきますね。
「〜서」は過去形にしない
文法的な違いとは、「〜したから〜です(でした)」という過去の原因について話す時、「서(ソ)」を使う時は動詞や形容詞を過去形にせず、「〜니까(ニカ)」を使う時は過去形にする点です。
例えば以下の文章をみてみます。
아침에 갑자기 두통이 와서 시험을 못 봤다. (アッチメ カプチャギ ドゥトンイ ワソ シホムル モッパッタ)
朝突然頭痛がして試験を受けられなかった。 |
아침에 갑자기 두통이 왔으니까 시험을 못 봤다. (アッチメ カプチャギ ドゥトンイ ワッスニカ シホムル モッパッタ)
朝突然頭痛がしたので試験を受けられなかった。 |
形は異なりますが、意味としては同じです。
まとめ
今回は「だから」を意味する韓国語についてお伝えしました。
以下に内容をまとめておきますね。
- 接続詞の「だから」は「그래서(クレソ)」と「그러니까(クロニカ)」の2つ
- 接続語尾の「〜だから」は「서(ソ)」と「니까(ニカ)」の2つ
- それぞれの使い分け方のポイントは以下の3つ
後の文が命令文・勧誘文・依頼文かどうか
後の文が意思や意見を含むかどうか
前の文(理由・原因)が主観的なものかどうか - 「서(ソ)」を動詞・形容詞につける場合はヘヨ体の「요(ヨ)」を「서(ソ)」に代える
- 「서(ソ)」を名詞につける場合は「名詞+(이)라서」
- 「니까(ニカ)」を動詞・形容詞に付ける場合は「語幹 +(으)니까」
- 「니까(ニカ)」を名詞に付ける場合は「名詞 +(이)니까」
- 「서(ソ)」は後の文が過去形の場合も過去形にならない
韓国語の接続詞には「그래서(クレソ)」と「그러니까(クロニカ)」の他にも「그렇다(そうだ)」との複合語として作られたものが存在します。
同じ原形を持つ単語を一緒に覚える事で、ボキャブラリーを増やしやすくなります。
よく使う接続詞に「그럼(では、じゃあ)」がありますが、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
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