韓国語の命令形「해라/しろ」と丁寧な命令「하세요/してください」

命令形の作り方

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「〜しろ!」「〜しなさい」と韓国語でいう場合は「〜해라(ヘラ)」と言います。

ただ、この表現は結構強い命令になるので、親しい間柄や明白な上下関係がないと使えない言葉です。

使い方を間違えると失礼になることもしばしば。。。

 

韓国語の命令形にはこの他にも「〜してください」という丁寧な命令や要求を表す表現もあります。

今回は、様々なケースで命令形を使い分けられるように、命令形の種類と作り方をお伝えしたいと思います。

 

命令形活用一覧表を今すぐ見る

 

韓国語の命令形「〜しろ、しなさい」は해라(ヘラ)と하렴(ハリョム)

まずは、韓国語の命令形というともっとも良く見たり聞いたりするであろう「해라ヘラ(しろ)」という言葉について説明します。

また、もう少し柔らかな表現として使える「하렴(ハリョム)」もご紹介します。

 

해라(ヘラ)の作り方と使い方

「〜しろ、しなさい」という意味の「해라(ヘラ)」は、「하다(ハダ)する」という動詞を命令形にしたものです。

韓国語には「〜하다(ハダ)」という形の動詞が非常に多いので、それらを命令形にする際には全て「〜해라(ヘラ)」という形にすればいいです。

 

하다(ハダ)動詞の一例です。

하다動詞 命令形
운동하다ウンドンハダ
運動する
운동해라ウンドンヘラ
運動しろ
공부하다ゴンブハダ
勉強する
공부해라ゴンブヘラ
勉強しろ
일하다イラダ
仕事する
일해라イルヘラ
仕事しろ
전화하다チョナハダ
電話する
전화해라チョナヘラ
電話しろ

 

命令形の作り方は以下のルールに従います。

  • 語幹の最後の母音が「ㅏ(ア)」もしくは「ㅗ(オ)」の場合→아라(アラ)をつける
  • 語幹の最後の母音が「ㅏ(ア)」もしくは「ㅗ(オ)」以外の場合→어라(オラ)をつける
参考 語幹について

語幹とは単語が活用変化する時に変化しない部分の事です。例えば日本語の「書く」という単語の場合、「書きます」「書かない」など「書」の部分は変わらないので語幹になります。

韓国語の動詞の基本形は「〜다(タ)」で、「〜」の部分が語幹、「다(タ)」の部分が語尾になります。

 

 

「하다(ハダ)」は語幹の最後の母音が「ㅏ(ア)」なので、「아라(アラ)」がついて 「해라(ヘラ)」に変化します。

ハダの仕組み

その他の動詞も同じルールに従って命令形を作ることができるので、基本的な動詞の命令形を一覧で見てみましょう。

基本形 命令形
가다カダ
行く
가라カラ
行け
오다オダ
来る
오라オラ
来い
만나다マンナダ
会う
만나라マンナラ
会え
받다パッタ
受ける
받아라パダラ
受けろ
먹다モクタ
食べる
먹어라モゴラ
食べろ
보다ボダ
見る
보아라ポアラ
見ろ
읽다イクタ
読む
읽어라イルゴラ
読め
마시다マシダ
飲む
마셔라マショラ
飲め
가르치다カルチダ
教える
가르쳐라カルチョラ
教えろ
빌리다ビルリダ
借りる
빌려라ピルリョラ
借りろ
배우다ベウダ
学ぶ
배워라ペウォラ
学べ
살다サルダ
生きる
살아라サララ
生きろ

 

「해라(ヘラ)」は韓国語の命令形の中でもかなり厳しいニュアンスがある言葉。

例えば軍隊の上官が部下に命令したり、会社の上司が部下に、また親が子供に怒った時などに使うケースが多い印象です。

もう少し柔らかい命令表現も覚えておきましょう。

 

やさしい命令形の「하렴(ハリョム)」

目下の人に対してやさしい命令形として使える表現に「하렴(ハリョム)」という言葉があります。

「하렴(ハリョム)」は「〜して」と「〜しなさい」のちょうど中間くらいの強さの命令だと思ってください。

親が子供になにか指示する時などに使うのにちょうどいい塩梅の言葉ですね。

 

以下が「하렴(ハリョム)」を使った例文です。

방이 지저분하니까 좀 정리 하렴. (パンイ チヂョブナニカ チョム チョンニ ハリョム) 部屋が散らかってるからちょっと整理しなさい。
난 조금 늦어.먼저 가렴. (ナン チョグム ヌジョ.モンヂョ カリョム) 私ちょっと遅れる。先に行って。

 

해라(ヘラ)と하렴(ハリョム)の中間くらいのパンマル

韓国語のタメ口表現である「パンマル」も軽い命令表現として使うことができます。

「해라(ヘラ)」のパンマル(タメ口)は「해(ヘ)」。「해라(ヘラ)」から「라(ラ)」をとったら出来上がります。

パンマルは元々命令形ではありませんが、口調を強くすることに「〜して!」というニュアンスになります。

パンマルを使った命令形の一例です。

빨리 가! (パルリ カ) 早く行って!
열심히 해! (ヨルシミ ヘ) 一生懸命やって!

 

丁寧な命令形「〜してください」の「(으)세요ウセヨ」「(으)십시오ウシップシオ

「〜しろ」というのが少しぞんざいな言い方なのに対して、「〜してください」と丁寧な命令表現も韓国語には存在します。

それが「하세요(ハセヨ)」「하십시오(ハシプシオ)」。

「하십시오(ハシプシオ)」の方がより丁寧な言い方で、日本語で言うと「〜してくださいませ」という感じです。

どちらも形としては命令形ですが、ニュアンスとしては依頼や要求の方が近いかもしれません。

 

丁寧な命令形の作り方

丁寧な命令形の作り方は以下のルールに従います。

  • 動詞の語幹+「(으)세요(ウセヨ)」「(으)십시오(ウシップシオ)」
  • 動詞の語幹にパッチムがある場合は「(으)」をつける
パッチムとは

パッチムというのは、「子音+母音」の後に来る「子音(終声)」の事を指します。

ex.パッチムを持つ文字

マルの読み方

以下の記事でパッチムについて解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

一部例外もありますが、基本的にはほとんどの動詞がこのルールに適用します。

基本形 語幹(語尾) +「(으)세요ウセヨ +「(으)십시오ウシップシオ 意味
가다カダ
行く
가(다) パッチムなし 가세요カセヨ 가십시오カシップシオ 行ってください
읽다イクタ
読む
읽(다) パッチムあり 읽으세요イルグセヨ 읽으십시오イルグシップシオ 読んでください

 

丁寧な命令形の例外

動詞の中には命令形「(으)세요ウセヨ」「(으)십시오ウシップシオ」に活用すると語幹の形が変化するものがあります。

パターンは3種類です。

 

ㄷ不規則動詞
語幹のパッチムに「ティグッ」がある動詞は「ティグッ」が「リウル」に変わって「(으)세요ウセヨ」「(으)십시오ウシップシオ」をつけます。

動詞 +「(으)세요ウセヨ +「(으)십시오ウシップシオ 意味
듣다トゥッタ
聞く
들으세요トゥルセヨ 들으십시오トゥルシップシオ 聞いてください
걷다コッタ
歩く
걸으세요コルセヨ 걸으십시오コルシップシオ 歩いてください
묻다ムッタ
尋ねる
물으세요ムルセヨ 물으십시오ムルシップシオ 尋ねてください

 

ㄹ不規則動詞
語幹のパッチムが「リウル」の動詞を命令形「(으)세요ウセヨ」「(으)십시오ウシップシオ」に活用すると、「リウル」が取れます。

動詞 +「(으)세요ウセヨ +「(으)십시오ウシップシオ 意味
살다サルダ
住む
사세요サセヨ 사십시오サシップシオ 住んでください
놀다ノルダ
遊ぶ
노세요ノセヨ 노십시오ノシップシオ 遊んでください
알다アルダ
知る
아세요アセヨ 아십시오アシップシオ 知ってください

 

単語そのものが変わる動詞
丁寧な命令形にすると単語そのものが変わる動詞があります。

代表的な単語は以下になります。

動詞 変化後の動詞 +「(으)세요ウセヨ +「(으)십시오ウシップシオ 意味
먹다モクタ
食べる
드시다トゥシダ 드세요トゥセヨ 드십시오トゥシップシオ 食べてください
마시다マシダ
飲む
드시다トゥシダ 드세요トゥセヨ 드십시오トゥシップシオ 飲んでください

単語そのものが変わる理由は、実は「韓国語の敬語表現」も「(으)세요ウセヨ」「(으)십시오ウシップシオ」という形をとるためです。

먹다モクタ(食べる)」や「마시다マシダ(飲む)」を丁寧な命令形にする時は、「召し上がる」という意味の「드시다(トゥシダ)」を使うことになります。

 

韓国語の命令形活用一覧

ここまで色々な命令形の作り方と使い方についてお伝えしてきました。

最後に、ご紹介した単語と活用を一覧にしておきたいと思います。

動詞 〜しろ
(語幹+「아라/어라アラ オラ」)
〜しなさい
(語幹+「(으)렴ウリョム」)
〜して
(パンマル)
〜してください
(語幹+「(으)세요ウセヨ」)
〜してください
(語幹+「(으)십시오ウシップシオ」)
하다ハダ
する
해라ヘラ
しろ
하렴ハリョム
しなさい

して
하세요ハセヨ
してください
하십시요ハシップシオ
してください
가다カダ
行く
가라カラ
行け
가렴カリョム
行きなさい

行って
가세요カセヨ
行ってください
가십시요カシップシオ
行ってください
먹다モクタ
食べる
먹어라モゴラ
食べろ
먹으렴モグリョム
食べなさい
먹어モゴ
食べて
드세요トゥセヨ
食べてください
드십시요トゥシップシオ
食べてください
읽다イクタ
読む
읽어라イルゴラ
読め
읽으렴イルグリョム
読みなさい
읽어イルゴ
読んで
읽으세요イルグセヨ
読んでください
읽으십시요イルグシップシオ
読んでください
마시다マシダ
飲む
마셔라マショラ
飲め
마시렴マシリョム
飲みなさい
마셔マショ
飲んで
드세요トゥセヨ
飲んでください
드십시요トゥシップシオ
飲んでください
듣다トゥッタ
聞く
들어라トゥロラ
聞け
들으렴トゥルリョム
聞きなさい
들어トゥロ
聞いて
들으세요トゥルセヨ
聞いてください
들으십시요トゥルシップシオ
聞いてください
살다サルダ
生きる
살아라サララ
生きろ
살렴サルリョム
生きなさい
살아サラ
生きて
사세요サセヨ
生きてください
사십시요サシップシオ
生きてください

 

まとめ

如何だったでしょうか?

今回は、色々な命令形の作り方と使い方についてお伝えしました。

お伝えした内容を再度簡単にまとめておきたいと思います。

  • 「해라ヘラ」は「〜しろ」という強い命令表現
  • 強い命令表現の作り方は以下のルールに従う
  • 語幹の最後の母音が「ㅏ(ア)」もしくは「ㅗ(オ)」の場合→아라(アラ)をつける
  • 語幹の最後の母音が「ㅏ(ア)」もしくは「ㅗ(オ)」以外の場合→어라(オラ)をつける
  • パンマル「해(ヘ)」は軽めの命令、「하렴(ハリョム)」は「해라(ヘラ)」と「해(ヘ)」の間くらいの強さ
  • 丁寧な命令形の作り方は「語幹+「(으)세요(ウセヨ)」「(으)십시오(ウシップシオ)」
  • 丁寧な命令形には例外的な動詞もある

 

丁寧な命令形「(으)세요(ウセヨ)」「(으)십시오(ウシップシオ)」は敬語表現でも同じ形を使います。

命令形が習得できたら敬語表現の習得も簡単になりますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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