韓国の「オンドル」とは?歴史や仕組み・使い心地などを一挙解説!
「オンドル」とは韓国の伝統式床暖房の事です。
中には韓国でオンドルを体験してから、「もうオンドルなしでは冬を越せない」という人も。
そんなオンドルの仕組みや歴史、使い心地やメリット・デメリットなどをご紹介したいと思います。
日本でもオンドルを参考にした床暖房システムが開発されているんですよ!
韓国のオンドルとは?
オンドルはハングルで「온돌」と書きます。
「온돌」とは、漢字にすると「温突」になります。
「オンドル」は、韓国で5000年以上も前からずっと使用されてきた床暖房の仕組みです。
元々、木造の一軒家に適応したスタイルとしてスタートしたものですが、現代では少し形を変えています。
オンドルの仕組みと作り方の歴史
従来のオンドルの仕組みは、台所でかまどを炊いた時に出る煙を利用した暖房方式でした。
火災事故を防ぐため、床下には「구들장」と呼ばれる石を敷き、煙が通るトンネルを作り、その上に泥と油紙で床を作っていました。
この伝統方式には以下のようなデメリットがありました。
- 薪を大量に使うため、森林破壊の元になった
- 燃料を練炭に変えたが、一酸化中毒事故が頻発した
- 木製の家具が傷みやすい
- 部屋が温まるまで長時間(5~6時間)かかる
- 中高層アパートに住む人が多くなり、構造・安全面から利用できなくなった
このような過程を経て、近年ではボイラーを利用した「温水式」のオンドルが一般的になっています。
現代のオンドルの作り方は以下の工程で作られます。
- 溝のあるアルミパネルを床に敷く
- パイプを溝にはめ床の端を発泡スチロールで埋める
- その上に防熱板を敷く
- 防熱板の上に接着剤を塗り、床材を貼って完成
このような仕組みで作られたオンドルは、世界でも優れた床暖房だと言われています。
オンドルの使い心地は?メリットとデメリット
では、実際にオンドルの使い心地はどうなのでしょうか?
やはり基本的に床暖房なので、「寝る時」に最も効果を発揮します。
韓国の布団は、一般的に日本の布団と比べて薄い印象があります。
これは、オンドルがあるので薄くても大丈夫、むしろ薄い方が効果があるためです。
敷布団は敷かず、掛布団だけで直接床に寝る人も多いです。
ただ、初めてオンドルで寝た時には以下のように感じる場合があります。
- 布団が薄い(もしくは床で直接)ため痛い
- 予想以上に暑くて、布団を着てられない
慣れてくると気にならなくなりますが、最初は違和感を感じたというケースが多いです。
またメリットとしては以下のようなことがあります。
- かなり暖かいので、寝冷えすることはない
- 寒さに弱い人には特におすすめなシステム
- 布団を敷く手間が省ける
少しアナログ感のある韓国のオンドルですが、効率的でとても使い勝手が良いシステムですよ。
オンドルを利用した日本の床暖房システム
ここまでオンドルの歴史や仕組みについてお伝えしてきましたが、日本でもオンドルを参考にした床暖房システムがあります。
韓国と同じ「温水式」のものと、自然石を利用した「蓄熱式」のものがあります。
「温水式」のものは日本バイオテック株式会社の「バイオオンドル」などです。
「バイオオンドル」は上板に遠赤外線を放射するバイオセラミックを使っているのが特徴の床暖房システムになります。
一方「蓄熱式」のものは、夜間に電気を使って自然石に蓄熱するスタイルが一般的です。
こちらも特徴としては低コストと遠赤外線効果になります。
「トップハウスコーポレーション」の「オンドルエコノ」や「有限会社チョウエイ」の「オンドルコンフォート」などがあります。
その他、韓国では「オンドルソファ」や「オンドルベッド」など、オンドルを利用した商品なども開発されているようです。
「オンドルが好き」「日本でも使いたい」という方は参考にして頂けたらと思います。
韓国のオンドルまとめ
今回は韓国の伝統床暖房「オンドル」をご紹介しました。
オンドルは韓国の文化を味わうことが出来るおすすめの体験の1つ。
冬に韓国に行く機会があれば、ぜひ一度体験してみてくださいね!